ブロックチェーンのトリレンマ、トリレンマ、トリレンマ。。。
どうもこんにちは、ミヤザキです。
タイトルは少し調子乗りました。
今回は巷でよく言われているブロックチェーンのトリレンマについて書こうと思います。
Vitalik Buterin
blockchain system can only at mot have two of the following three properties
(ブロックチェーンシステムは最大でも次の3つの要素のうち2つしか持つことが出来ない。)
って言ったみたいです。
そもそもトリレンマとは
トリレンマとは、ジレンマの3つバージョンですね。
3つのうちで2つまでしか選べないよ 〜ってやつです。
そう考えるとポケモンを始めてすぐ迫られる選択よりは優しいですね。
ブロックチェーン界隈で語られるトリレンマとは。
ブロックチェーンのトリレンマは
分散性(非中央集権制)、セキュリティ、スケーラビリティ
という3つの要素で語られます。
例えば、分散性、セキュリティに重きを置く場合スケーラビリティを犠牲にしなくてはいけない、といった具合です。
分散性について
ビットコインやイーサリアムはスケーラビリティを犠牲にして分散性、セキュリティを実現していると言われています。
イーサリアムやビットコインは現時点でPoWを採用しているので、ブロックの生成をするためにノードたちが骨肉の戦いを繰り広げ、新たなブロックに対する承認も全てのノードが行います。
そのためノードが多くなればなるほど分散性が高くなるということが言え、セキュリティも向上します。
しかしPoWでブロックが生成される間隔はほぼ一定に決められており、ビットコインであれば約10分、イーサリアムであれば約3、4秒ほどです。
一方EOSはDPoSを採用しており、ブロック生成者を限定することでマイニングが必要なくなり、即時にブロック生成を行うことが出来ます。
ブロックの生成に関わるためにはBlock Producer, BPになる必要があります。
BPになるためには投票で上位21以内に入ること、コンピュータのスペック、組織であること、など色々な条件があり、そこいらの人がなりたくてなれるという感じではないです。
そのため、BPが入れ替わることはほとんどなく、寡占状態になっています。
これによりEOSは分散性を損なっていると指摘されることがままあります。
セキュリティについて
ビットコインやイーサリアムへの攻撃を成功させるためには全ハッシュパワーの半分以上のハッシュパワーを持つ必要があります。
ハッシュパワーとはマイニングをする力の強さだと思ってください。
51%以上のハッシュパワーを持てば、不正なブロックを生成し、チェーンを正当なチェーンよりも速く伸ばすことが出来ます。
PoWチェーンでは一番長いチェーンが正と見なされるため、攻撃の成功とは不正なチェーンが一番長くなることを指します。
しかしこれはほぼ不可能と言えます。
全ハッシュパワーとは世界中に存在するノードの計算能力の総和であり、現在ですでにスーパーコンピュータをはるかに超えると言われています。
そのハッシュパワーの51%のハッシュパワーを確保することは現実的に考えにくいです。
これがビットコインやイーサリアムのセキュリティを強固にしているものです。
EOSではハッシュパワーは関係ありません。ブロック生成をしているのは21のBPです。そのうち15の合意があればブロックが確定します。
そのため、15/21のBPを味方につければ攻撃が成功します。
確かにこう字面で見ると、全部の51%のハッシュパワーを集めるより、21の中の15を集める方が圧倒的に簡単そうに見えますが、実際どっちが簡単かというのは比べようもない気がしますね〜。
まとめ
ブロックチェーンのトリレンマについてまとめてみました。
散々ブロックチェーンのトリレンマと言ってきて今更ですが、ブロックチェーンのトリレンマと言うワードが正しいのかは議論の余地があると思います。
なぜならブロックチェーンがそもそも分散性とセキュリティを前提とするものなので、それらとスケーラビリティを天秤にかけるのが正しいのかは疑問だからです。
単純にスケーラビリティ問題という方が正しいかもしれません。
ある種、イーサリアムやビットコインの側の人々がEOSやTronなどのある程度分散性を低くしてもスケーラビリティを確保しようという試みに対して批判する意味で使っている面もあるのでは。
それにこの場合3つの要素が全て相対的なものなので、EOSでも十分分散性を確保出来ていると考えてしまえばそれまでです。
そう考えても、分散性、セキュリティに高い基準を置くイーサリアム界隈の人がこれを言いがちなのかなと思いました。